「依存」と言う名の病気を治療する病院 詞/青 曲/青
1
木漏れ日が降りそそぐ午後、長閑に晴れ渡る日。
僕は病院坂の途中、あの日に出会ってみたんだ。
―じゃれあいながら駈け上り、
「ハァ、ハァー。」息途切らせ、顔を見合わせ大笑い―
眩しいあの日の2人に。
まだあの時の笑い顔は、
きっと「本当」だったんだと思ったよ。
だからあの写真の中の君等も、
きっと「本当」だったんだろうね。
たぶん僕等の「本当」が息を引き取るくらいに。
木漏れ日が降りそそぐ午後、長閑に晴れ渡る日。
僕は病院坂の途中、あの日に出会ってみたんだ。
―目も合わせずに「バイ、バイ。」って、
涙が出てたけど笑った、泣きたくないから笑った―
切ないあの日の2人に。
でもあの時の笑い顔は、
そっと「本当」が使えた最後だったね。
だけど書きかけのままの日記だけは、
そっと「本当」を見せつけるかな?
たぶん僕等の「本当」が息を引き取るくらいに。
ずっと演じたかった「本当」に幕を下ろしたくらいに。
2
もう戻れないあの日です。
例えば正しく蝕んだ『「依存」という名の病気』が、
悲しく完治したとしても―――。
君は『「依存」という名の病気を治療する病院』で、
僕は『「依存」という名の病気を治療する病人』だった。
寂しくなくちゃ知らない事も、傷つかなくちゃ知らない事も、
いっぱい、いっぱい、あったのに、
僕は見て見ぬ振りしてうつむき黙り、
寂しいのが嫌だとか、傷つくのが嫌だとか、泣き事ばっかりで、
謝る事しか知らなかった僕を、
心から「自殺しろ。」と願ったんだ。
ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ。
3
木漏れ日が降りそそぐ午後、長閑に晴れ渡る日。
僕は病院坂の途中、あの日に出会ってみたんだ―――。